旋盤工って、服は油臭くていつも指先は
いつも まっ黒。
もしあなたが旋盤の仕事をしてて、
自分は底辺だ。
と感じているんだったら、答えは2択!
- 今日にも辞めて転職する
- 胸を張れるまで極める
と、元旋盤工だった私は言いたいです。
あなたの作った製品は何に使われてるのか、真剣に考えたことありますか?
きっと、最終的に何に使われてるか分からないから、今の仕事(旋盤工)は底辺だと感じてしまうと思います。
自分が底辺なのか問う暇があったら、極めれば良いと思うので記事にします。
旋盤工しか知らないから底辺だと思う理由
旋盤屋で毎日鉄の棒とバイトを使って金属を削っている、旋盤工。
職場で話す人は、いつも同じ職場の人。
社外の人といえば、材料屋さんや納品物を引き取りにきたお客さんだったりで、
まぁ、たぶんその程度でしょう。
男ばかりの職場で社員数も決して多くはなく、
数名ていど。
休み時間になると、工場の外近くの自販機で買ったコーヒーやジュースを飲んで、チャイムが鳴ったら(時間になったら)また、油臭い工場の中へ向かう毎日。
始めは機械の動かし方が分からなかったり、バイトをどのようにしてセットするのか分からない。
社長や先輩に聞くと、1〜2回は優しく教えてくれたけど、数日もしたら厳しい教え方に。
そんな毎日を送っていると、
俺が働いている
『旋盤工』って、底辺の仕事か?
仕事で失敗すると、終わるまで帰れない。ここはまさにブラック企業だ!
そのように思ってしまってもしょうがないのかな。
と、私は思います。
もし、タイミングが合ったら、休みを取って展示会へ行ってみると良いと思いますよ。
また、あなたの会社が展示会へ出展する事があるのでしたら、
是非一度、他の会社も出店する、ものづくり関係の展示会へ行ってみることをオススメします。
展示会へ行くと、他の業界(マシニングやNC旋盤、工作機械)など様々な製造業の会社をみることが出来ます。
そして、同じ旋盤部品を扱っている会社だったり、
他社の出展物をみてて興味を持った会社の人へ気軽に声をかけて、是非技術的な話しをしてみましょう。
同じ製造業でも、旋盤を持って無い会社では、旋盤が扱える(旋盤加工ができる)というだけで、話しは弾むと思います。
あなたが普段何気なく、面白味を感じてなかった仕事が、すごく価値のある技術であったことを実感できるはずですよ。
ちょっとだけでも、あなたの今まで加工してきた内容を出展企業の方へ話してみて下さい。
きっと、今までの『底辺?』という疑問はどこかへ飛んで行ってしまうはずです。
旋盤工は底辺じゃないよ!と伝えたいこと
私は旋盤加工の会社から、試作関係の会社へ転職しました。
旋盤屋の前は試作関係の会社にいたので、会社は違うけど、再び試作業界の会社へ戻ってきた身です。
ただ、以前と大きく違うのは、旋盤の技術を身に付けて戻ってきた。
ということです。
するとどうでしょう。
以前は外注へお願いしてた丸物製品。
部品単価は、ほぼ旋盤屋の「言い値」でした。
言い値だけれど、高ければ他をあたる。
当時、2社の旋盤屋さんと取引してたので、どちらか安い方へ発注してました。ただ、どちらも得意不得意な物があったので、よほどでない限りはそれぞれを使い分けていました。
あの時は、同じ旋盤部品なのにどうして得意不得意があるのか、よく分かっていませんでした。
だけど、今は違います。
持っている旋盤機械の特性で、得意不得意があることを知りました。
そして、旋盤屋は横のつながりが非常に強い。
ということも旋盤加工会社で知りました。
あの時、1つ目の会社へ丸物部品の見積もりを出してもらい、高い見積もりを出してきたのには理由があったのです。
実は、高い見積もりを出してきた旋盤屋は、そこからさらに協力会社で作ってもらっていたんですね。
その会社が実は安い見積もりを出してくれたもう一社だったんです。
こっちとしては、相見積もりのつもりだったのですが、旋盤屋さんはこちらの手のうちを十分知ってて、お互いを住み分けしてたんです。
多分こんな会話をしてたのでしょう。
で、今回どうする?
という会話があったのか無かったのかは、確かではありませんが、このようなことが普通にあるのが旋盤屋の業界です。
旋盤屋よりは従業員数が10倍くらいいる、中小企業の試作屋でしたが、旋盤部品の製作と見積については、完全に旋盤屋さんの手のひらで踊らされていたと思います。
旋盤工が底辺というならこの仕事は底辺のさらにどん底か?
話しは変わりますが、私は半年くらい前から会社が休みの土日を利用して、単発バイトへたまに行ってます。
そこで、少し前にあった時の出来事です。
単発バイトでありがちな『事務所移転作業』の案件です。
その時により多少の差はありますが、だいたい1日8000円~1万円の単発バイトです。
ここでは単発バイトの日給がどうとか時給がどうとか、言いたいのではないので、もし旋盤の仕事が休みの時に稼ぎたい時は、こっちの記事を参考にして下さい。
話しは戻ります。
あの時は、都心部にある大きなビルの5階での作業です。
5階フロアー全体が1つの会社になっていて、そのフロアー内でパーティションで区切って、各部署に分かれているところでした。
この時は、このフロアー全体のレイアウトを変更する。
という業務です。
私が登録してる派遣会社(荷物移動係)とは別で、
パーティション(壁)の取り壊し取り付けを行う業者、電気配線をする業者、PCをセットアップする業者、様々な業者で総勢70~80人くらいはいたと思います。
そのなかで、荷物移動係は、複数の業者の作業の様子を見ながら、大きなテーブルや椅子、ロッカーを移動したり、設置するPCを搬入口から運んでくる作業です。
けっこうな作業でしたが、私の登録してる会社では12名の運搬係員がいるはずでした。
ところが、一人朝から来ません。
仲間が連絡したところ、二日酔いで来れない。
という情けない理由です。
これで11名。
一人欠けた分、1人当たりの作業量は増えます。
ところが、他の一人が昼休憩後から姿が見えません!
あれ?どうした?どこいった??
と、リーダーが確認したところ、体調不良という理由で帰ってしまったようです。
私的には、ありえない!
と思い、派遣バイトの仲間に聞いたところ、
たぶん今日の仕事キツイから、トンズラしたんだよ。
あいつ・・・
前もトンズラした常習犯だからね。
この業界だと時々あるよ。こういうの。
というようなことがあったのですが、
正直なところ、仕事が終わらず夜遅くまでだったり、徹夜してもやり遂げる旋盤屋のもの作り精神は、立派だと思います。
旋盤屋に勤めていながら、自分の仕事が底辺なのでは?と思っている方がいたら、この話を思い出して下さい。
最後までやり遂げる。
嫌でもすぐに逃げ出さない精神は、決して底辺の人でありません!
もっと、自信をもっていいと思います。
極めた旋盤工は今でも自信を持って良いと思う理由
旋盤で物を削って家族を養い、子供の大学費用までまかなう。
たぶん、それが出来る職人さんはよほど腕っ節のいい技術屋の社長だったり、ほんの極一部だというのは、たぶん時代の流れでしょう。
どんどんNC化が進んで、最新の機械の周りにはほとんど人がいません。そして、1人で複数の機械を使いこなす技量も必要でしょう。
だからと言って、旋盤工は決して底辺では無い!
と、私は胸を張って言いたいです。
特に工業系の学校を出て、PCに向かい3DモデリングやCAD/CAMだけをやりたい若者も少なくありません。
理由は汚れたくないから。
でもね、一切油汚れをしたことが無く、なんでもPCと機械が勝手に自動でやってくれると思ったら大間違いです。
現在ハイテクなNC工作機械やNC旋盤を使いこなせる技術者は、そこへ行くまでに何度も油汚れや小傷を経験してきています。
実際に金属の棒(材料)を持ったことも無い人間が、寸分狂わない正確な旋盤品を作れるわけが有りません。
たとえ複雑な製品ではなかったとしても、全くの素人がみたら、
上のシンチュウのピンだって『すごい!』と言ってくれますよ。
それに、このような単純な部品を組み合わせて、最新の機械やハイテク機器をつくりあげているんですからね!
あなたも今までたくさんの品物を作り続けてきましたよね?
それでも、自分が底辺の仕事だ!と思うのでしたら、
根本的に旋盤業が向いてないのかもしれません。
そんな時はこの記事を一度ご覧下さい。
旋盤工は古臭いといってる奴ほど古臭い考えだ!
いまさら、旋盤工。
古臭いよね、どうせ月給なんて10万円にちょっと毛が生えたくらいだろ?
いやいや、そんなことはありませんよ。
月に20日出勤したとして、月給が10万円そこそこでしたら、それは同じ旋盤業界の別の会社へ移った方が良いですよ。
今、最低賃金は東京では1000円を超えてますからね!
週4日、旋盤屋の検査員や事務員としてパート勤めしている主婦の方だって、もっともらってますよ。
1日6時間、時給1000円で、週に4日だったとしても、1週間で24,000円です。4週間で、96,000円になります。
社員だったら、もっと出勤時間長いですよね?
それなら、確実にもっともらえて当然です。
古い会社だから仕方ない。
と思うのでしたら、その古い考えを改めて、他の会社を探した方がいいですよ。
スマホで検索すれば、時給1,300円とか、1,500円とか普通に出てきますから。
旋盤の技術は絶対に無くならないと言いたい理由
これ、先日私の会社(試作屋)で、急遽冶具というのが必要になりその一部品を普通の六角穴付きボルトを追加こうしたものです。
これは、使い勝手をよくする為に、現物を見て私が1本3分くらいで作った専用ネジです。
旋盤を経験していると、このような発想がすぐに浮かんできます。
と、思って仕事をしていると仕事がだんだんつまらなくなってしまうかもしれませんが、旋盤で経験してきた加工方法や、加工物を知っていれば、その後別の会社へ行っても応用が利きます。
もうちょっと、こうしてほしいな。
そんな時に旋盤の技術と経験は必ず生きています。
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まとめ
今回は、当ブログへ
「 旋盤工 底辺 」というキーワードで訪問してくる方がけっこう多かったので、もう少し詳しく旋盤工について書いてきました。
もし、あなたが旋盤工であって、
今の仕事が底辺の職業だと思うのでしたら、思い切って
- 異業種へ転職
- 今の仕事をもう少し極めてみる
ことをオススメします。
何事も中途半端で投げ出してしまうのは、
記事内でも書いたトンズラしてしまった
単発派遣バイトの彼と同じですよ。
ここまで読んでくれたあなたは、絶対にそんな責任感もプライドも無い人とは別次元の人なので、もっと自信を持って旋盤加工を続けてみては如何でしょうか?
この記事内の製品は、旋盤経験がある私が職場のペンチレスを使って作ったものです。
今はペンチレスや旋盤の業務は本業ではありませんが、設備さえあれば、冶工具制作の時に時々作っています。
旋盤で得られた技術は職場内の合間仕事でも、楽しく作ってますよ。
また、旋盤は使えるけどNC旋盤は扱ったことが無い。というのでしたら、次の2つの記事も合わせてご覧下さい。
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