中小企業の出口戦略はどうする?現場で感じた大手企業の試み

出口戦略

2020年の5月、6月はコロナウイルスによる経済低迷から復活する時期。

生き延びる為になんとしても変わらなければならない時だと、どの業界も強く感じていると思います。

 

私は20年以上も製造業の中小企業で働くサラリーマンですが、5月の連休が明けて仕事の様子が変わってきたのを感じてます。

何が変わってきたのかというと、取引先からの見積内容が大きく変わってきました。

 

簡単に言うと、

無理難題な案件が急に増えてきました。

無理難題な案件が増えてきた背景には、各メーカーの出口戦略と何か関係あるのではないか?と思いましたので、記事にします。

 

製造業以外の業界で働いている方は次の記事

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こっちで、アパレルや飲食、農業、教育、製造業以外のサラリーマンの記事を書いてますのでご覧下さい。

 

私と同じく、もの作り業界で働く方、なんとしても夏本番がくるまでに仕事量を元に戻していきましょう。

そして秋以降は今まで以上に仕事量を増やし、冬のボーナスが少しでも多くもらえるように頑張っていきましょう!

 

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大手企業の開発者はウズウズしている!?

まず、無理難題な案件が増えてきた背景について簡単に説明します。

 

私の勤め先は主に、電化製品(業務用)・自動車・医療機材関係の試作品のパーツを作っています。

時々、腕時計や工作機械、公共施設部品の一部を扱う試作品も作ったりしてます。

 

大きさは片手に乗るサイズがほとんどで、プラスチック系だったり金属だったり様々です。

例えば、

  • キャッシュレス決済用のクレジットカード読み取り機(レジ前でクレジットカードを差し込む機械)
  • スポーツ腕時計のゴム製バンド
  • 自動車やバイクの黒っぽいプラスチック製の部品
  • 人間ドックなど病院の検査で使う機材の部品

このような製品の試作品を作ってます。

 

これら試作品の

難易度が5月以降は急に高くなってきた

と感じてます。

急に難易度が高くなってきた理由として、開発者は新しい商品開発をしたくてうずうずしている。と思いました。

 

実際、勤め先の営業の話しでは、

某電機メーカーでは、新しい商品を考えているが、コロナの影響で開発が進められない。開発をしたくても、自宅待機やテレワークで、研究設備が使えなかった。
でも、そろそろ待ってはいられない。経済が動き出した時に商品として出来上がっていないと、売れるはずのものでも売り時期を逃してしまう。

そのような話しを多く聞くようになった。と言ってます。

 

ところで試作品ってなんだい?

試作業界の人でないと、試作品ってなに?と思いますので、説明します。

試作品には大きく3段階あります。

  • 1次試作
  • 2次試作
  • 量産品向け試作

ほとんどの場合がこのパターンです。

 

製造業でいう、1次試作品とは?

1次試作品とは、製品開発設計者が新商品開発の為に、試しに作るもので一般の人が目にすることはまずありません。

 

開発者がイメージを形にしたい。

というのが趣旨なので、数量も数個から多くても50個未満がほとんどです。

 

最近ではコンピューター上のシミュレーションが出来るので、大きな失敗はほとんどありませんが、実際に作ったものと、PC画面上のものだとやはり違いは大きく、製品にして初めて気がつく失敗もあります。

 

また、手で触ったり時の感触や立体となった時のイメージ、非現実的な構造や、構造変更によるコスト削減の検討用に使われれます。

 

例えばPCのマウスでも微妙な形状の違いで、操作性や高級感など画面上では分かりにくい感覚を掴む為には、やっぱり実物相当の試作品は必要になってきます。

 

製造業でいう、2次試作品とは?

2次試作品とは、1次試作品で設計者(開発部門)がイメージを持ち、その商品を世の中に出す為に準備する為の物です。

 

使用用途としては、

  1. 現実的に制作が可能なのか?
  2. 製品性能を上げる為に変更点を見つける為
  3. コストを抑える為に削る構造や機能を探す為

このような使われ方がほとんどです。

 

1.現実的に制作が可能なのか?

については、1次試作で一応かたちにはなっているので、クリアさせてますが、その部品を他の物と組み合わせた時に、干渉して(ぶつかったり)取り付け不可能になってないかの確認などです。

 

2.製品性能を上げる為

とは、使用頻度の耐久性テストをしたり、材質を変えることでより壊れにくい物(より使いやすい物)にする為だったりです。

 

3.コストを抑える為に削る構造

というのは、形状が複雑になればなるほど、製作時間やコスト(材料費と人件費)が増えてしまいます。

試作品までなら、大差は出ませんが、数量が1000個、10000個…と多くなると、1個あたりの材料費や人が作業する時間が増えた分、1つの製品に対しての価格は高くなってしまいます。

 

そうなると、その分を製品価格に乗せなければなりません。

製品単価が高くなってしまった結果、売れなくなってしまうことに繋がってしまいます。

 

これらを検証する為に、2次試作品というものがあります。

 

量産品前の試作品とは?

形状と性能評価が固まり、最終的に商品として世の中に送り出す為の準備が必要です。

量産品前の試作品は、この準備にあたるもの作りです。

量産生産した時の不具合や歩留まり(不良品率)調査、生産コストの把握を煮詰めていく為の行程です。

 

今後中小企業に求められる技術

時代の変化と共に、新しい商品は常に開発され、世の中に出回っていきます。

それらの為に作られる試作品、これら試作品は大手企業だけでは作ることができません。そこで必要となってくるのが、大手企業を支えている中小企業です。

 

中小企業は、大手メーカーの開発者の発想をいかにして形にするか。また、試作品を作っていく過程で分かった、より良い提案を持ちかけられるかが大切だと思います。

 

ただ、客先から言われたことだけをやる(つくる)だけでは、次の仕事は無いかもしれません。

 

今後の中小企業では、中小で働く一人一人の発想や技術を柔軟に開発者へ伝えていくことが、今後の生き残っていく為の出口戦略になるのではないでしょうか。

大手企業から巡ってきた仕事があっての中小企業ですからね。

 

幸いにも私の勤め先は、取引先が直接大手企業という幸運な環境の中小企業なので、製造業の動きを感じ取ることが出来ました。

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出口戦略を模索している大手企業、タイムリミットは内部留保が切れるまで

2018年度の企業の内部留保額は過去最高額の463兆円というのが、2019年の9月の財務省調査で発表されていました。

2019年度の内部留保は、年度末(2020年3月まで)の集計になるので、コロナウイルスの時期と重なり、2018年度を超えることはまず不可能でしょう。

 

そして、コロナワクチンの発表はまだ、数ヶ月以上かかりそうです。また、ワクチンが出来てもそれをたくさんの人が接種しなければ、本当の意味でのコロナ鎮静化にはなってくれません。

 

だからこそ、大手企業の開発者たちはそれぞれの出口戦略に基づき、より難易度の高い開発を急いでいると思います。

そう考えると、私の勤め先へ届く見積もり案件も、急激に難易度が高くなってきたことに納得です。

 

中小企業の出口戦略のまとめ

大手企業は、コロナ前までにかなりの内部留保を確保していました。

その為、コロナウイルスで経済がストップしてしまっても、まだ体力が残っています。

 

そして、そこで働く開発者達は、

無理難題と分かっていてもそれを形にしたい技術者はたくさんいます。

 

それに応えることができる中小企業は、きっと経済が回り始めた時にライバルより先に前に進むことができると思います。

 

一日も早く仕事量をコロナウイルス前の状態に戻して、ボーナスが少しでも多くもらえるように頑張っていきましょう!

きっとあなたが持っている技術力、大企業の設計者は待っていますよ。

 

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